Up 教団化 作成: 2007-10-02
更新: 2007-10-05

    「正しい自分たち」の集団は，規模が大きくなると「教祖を頂く教団」になる。 すなわち，「入信者が増える」という形で大きくなる。 ──これは，集団の力学である。

    教団は，教祖，執行部，信者を要素とする。
    執行部は，教祖を御輿に乗せてかつぐことが役割。
    執行部はまた，生の人間としての教祖が見える立場である。 (実際，自然な流れとしては，組織を一緒に起ち上げた者が執行部に就く。)

    信者は，教祖に対し，その人ではなく後光の方を見る。
    信者は，教祖・執行部にとってプレッシャーである。
    執行部は，後光の保守を仕事の中心にするようになる。
    これは，教祖を＜無謬の存在＞に仕立て上げるという形になる。

    一個の人間が＜無謬の存在＞であることはできない。
    しかし，＜無謬の存在＞になった教祖は，引っ込みがつかない。
    しかも，執行部は，引っ込みがつかなくする装置として機能する。 執行部の中の代替わりが進むと，よけいそうなる。(代替わりが進むことは，原点の忘却が進むこと。)
    こうして，謬っても，その謬った道を突き進む。

    これが教団の形成である。
    外部の者にとって，教団は倒錯した精神の集団になる。