Up y=ax → yーq=a(xーp) 作成: 2013-10-19
更新: 2014-01-15


    fを,二つの量の系 ( (量1, ), ×, (数, +, ×) ),( (量2, ), ×, (数, +, ×) ) の間の比例関係とする。

    1,量2 からそれぞれ要素を「単位」として固定し,fから「値の対応」を導く。
    するとこれは,一定数倍の関数になる。
    即ち,「y=ax」と表現されるものになる。


    いま,上の二つの量の系が,つぎのように位の系に含まれているとする:
        ( 位1, , ( (量1, ), ×, (N, +, ×) ) )
        ( 位2, , ( (量2, ), ×, (N, +, ×) ) )
    そして,Fを,比例関係f: 量1 → 量2 を伴うアフィン関係: 位1 → 位2 とする。
    ──Fとfは,つぎの関係にあった:
        F( P′ ) − F( P ) = f( P′ − P ) ( P, P′ ∈ 位1 )

    ここで,比例関係fから数の対応「y=ax」を導いたのに倣って,アフィン関係Fから数の対応を導くことを考える。
    これは,どのような形のものになるか?
    結論から言うと,「yーq=a (xーp)」 の形になる。

    Fから数の対応を導く考え方は,量1,量2 からそれぞれ一つの要素を「単位」として固定することと併せて,位1,位2 からそれぞれ一つの要素を「基準」として固定するというものである。
    即ち,以下のようになる。


    1,位2 の枠をそれぞれ (O1, 1), (O2, 2) とする。
    いま,
      f(1) = 2 ×
      F(P1) = P2
      1 = O1 111 ×1
      2 = O2 222 ×2
    とし,
      F(X1) = X2
      1 = O1 111 ×1
      2 = O2 222 ×2
    とするとき,
      f(X1 ー P1 ) = F( X1 ) ー F( P1 ) = X2 ー P2
    ここで,
      1 ー P1
      = (O1 1) ー (O1 1)
      11
      1 ×11 ×1
      1 × (x1 ー p1)
    同様に,
      2 ー P22 × (x2 ー p2)
    即ち,fで, 1 × (x1 ー p1) に 2 × (x2 ー p2) が対応する。
    そしてこのことは,つぎを意味する:
      (x1 ー p1) × a = x2 ー p2
    こうして,Fから導かれる数値の対応は,「 (x1 ー p1) × a = x2 ー p2」である。


    例.  時刻:( 時刻, , ( (時間, ), ×, (, +, ×) ) ) と高さ:( 高さ, , ( (移動, ), ×, (, +, ×) ) ) を考える。
    時刻の枠に (紀元, ) をとり,高さの枠に (水準, ) をとる。
    比例関係f:時間 → 移動 とアフィン関係F:時刻 → 高さ を,つぎのように定める:
      f() = × a(「毎年am高くなる」)
      F(紀元p年) = 海抜qm
      F(紀元x年) = 海抜ym
    このとき,
      f( 紀元x年 ー 紀元p年 ) = 海抜ym ー 海抜qm
    ここで,
      紀元x年 ー 紀元p年 = × (x ー p)
      海抜ym ー 海抜qm = × (y ー q)
    即ち,fで, × (x ー p) に × (y ー q) が対応する。
    そしてこのことは,つぎを意味する:
      (x ー p) × a = y ー q
    こうして,Fから導かれる数値の対応は,「 (x ー p) × a = yーq」である。



    以上見てきたように,「量の比例関係の上の位対応」 に対し「基準・単位」を固定することで導かれる関数:数 → 数 は,直接的には「(x ー p) × a = yーq」であり「y=ax+b」ではない。 ── b=qーp×a とおき直すことで「y=ax+b」になる。

    また,「1次関数」のグラフの解釈が,つぎのように違ってくる。

「(x ー p) × a = yーq」


「y=ax+b」