Up タテ×ヨコにタテ・ヨコはない,だからかけ算に順序はない 作成: 2011-09-14
更新: 2011-09-14


    「かけ算の順序」のモンスターのタイプの一つに,《「タテ×ヨコにタテ・ヨコはない」を「かけ算の順序はどちらでもよい」の根拠に用いる》がある。

    このモンスターの論理は,つぎのようになる:
      数の積は,タテ×ヨコの抽象にもなっている。
    ところで,長方形にタテ・ヨコはない。
    よって,タテ×ヨコとタテ×ヨコは区別がつかない。
    よって,かけ算の順序はどちらでもよいとしなければならない。
    3行目の「よって」において短絡をやっているわけであるが,ここが「モンスター」である。

    確認
    長方形の面積は隣り合う二辺の数値のかけ算で計算されるが,このときの「かけ算の順序」は,求積を構造化する仕方に応じている:


    「2×3」が立式になる構造化に対し「3×2」を立式すれば,それは間違いである。
    「3×2」が立式される構造化に対し「2×3」を立式すれば,それは間違いである。