Up かけ算の順序表記は相対的,だからかけ算に順序はない 作成: 2011-09-14
更新: 2011-09-14


    日本語は,横書きは左から右に書く。
    アラビア語は,右から左に書く。
    左から書くか右から書くかは,文化相対的であり,どちらかが正しくてもう一つが間違いというものではない。

    「かけ算の順序」のモンスターのタイプの一つに,《文化相対性を「かけ算の順序はどちらでもよい」の根拠に用いる》がある。 文化相対性が「かけ算の順序はどちらでもよい」の説明になると考えるところが,「モンスター」である。

    左から書くか右から書くかは,文化相対的であるが,各文化においては固定される。 アラビア語が右から左に書くからといって,日本語が「左から書くか右から書くかは,どちらでもよい」とはならない。
    「かけ算の順序」も,これと同じである。
    記号「×」の文法 (用法) をいったん決めたら,積の立式はこの文法に従うことになる。


    「×」の文法は,この記号をつぎのように用いるというものである:
    ただしこの文法は,つぎの文法と互いに相対的である:
    したがって,どちらを用いることにするかは,任意である。
    しかし,どちらを用いるかを一旦決めたら,積の立式での2数の並びは論理必然的に決まる。 「かけ算の順序はどちらでもよい」とはならない。
    すなわち,つぎのように:
「一皿2個では3皿で何個?」

何=2×3 何=3×2
「2m/秒では3秒で何m?」

何=2×3



何=3×2