Up 要 旨 作成: 2011-09-04
更新: 2012-01-08


    「かけ算の順序」論争は,つぎの二つの立場の間の論争である:
    1. 数の積の意味は「1あたりいくつ × いくつ」であり,積の二数はこの順序で並べねばならない。
    2. 積の二数の順序は,こだわるべきものではない。

    数の積の意味を「1あたりいくつ × いくつ」とするのは,遠山主義である。
    「積の二数の順序はこだわるべきものではない」の立場は,さらに二つに分かれる。遠山主義者の内からのものと,遠山主義の外からのものである。


    数学から見れば,遠山主義も「積の立式は自明であり考えることではない」も大差ない。 すなわち,「かけ算の順序」の数学を外しており,そして数学を見ないようにしている点で同じである。

    このことを捉えられるためには,「かけ算の順序」の数学を知らねばならない。
    遠山主義というイデオロギーを知らねばならない。
    さらに,「かけ算の順序」論争における人間行動学・人間心理についても考えを及ぼす必要がある。