Up 要 旨  


    数学の場合,問題を解くとは,論理に則って問題の還元 (簡約化) を進めることである。 実際,このとき行く着いたもっとも簡約された形が,「解」になる。

    問題が複雑になれば,還元のステップ数が多くなる。 適用される定義・命題も多くなる。
    量の問題を「還元」の形で解けるためには,「量・数」の数学がきちんと押さえられていることが必要になる。 「量・数」の数学をやっていなければ,解を求めることを数学として行うことはできない。

    「量・数」の数学は,「数は量の比」である。
    一方,学校数学は「数は量の抽象」を択り,これを専らにしている。
    そしてこの状態がほぼ半世紀続いてきたことで,「量計算の数学が知られないまま」という状態に,いま学校数学はなっている。