Up 「数は量の抽象」は,唯物論の数学の構想から 作成: 2010-12-14
更新: 2010-12-14


    学校数学では,「唯物論の数学」を対立軸にしたことになる。
    現行を「観念論の数学」(ブルジョアの数学) と定めて「唯物論の数学」を対置すれば,ぴったり嵌るわけである。

    「唯物論の数学」の構想は,カントールの集合論をベースにするというものであった:
      唯物世界の所与を数学の形にすると,それは集合である。
      集合論から数学の体系を紡ぎ出せれば,それは唯物論の数学をつくったことになる。

    そしてこの構想の最初の試行になるのが,「数」である。
    これはつぎのようになる:

      唯物世界である集合で,物の集合を「対等 (1対1の対応がつく)」の関係で類別する:


      一つの類を一つの対象を表していると見るとき,それは個数 (量) である:


      そして,個数 (量) から個を捨象すれば,それは数である。


      <数の唯物論──"数より先に物がある">を立てることに成功!


    実際には,この「数学」構想はうまくいかない。
    しかし,「うまくいってもらわないと困る」の意識が,牽強付会をさせる。
    その結果が現前の「数は量の抽象」というわけである。