Up 1と見る」型の「数直線 作成: 2012-02-15
更新: 2012-02-15


    かけ算・わり算に数直線を使う」は,比例関係の文章題で始めるものになる。
    なぜか?
    学校数学は,<数は量の抽象>を立場にしている。 <数は量の抽象>では,数の「×・÷」は量の「×・÷」の抽象であり,量の「×」は「単位あたり量 × いくつ分」である。 そして,「単位あたり量 × いくつ分」の文章題は,比例関係の文章題である。

    では,「 2/5 kg の 4/3 は何 kg か?」のような<量の倍>の問題は,どういう扱いになるのか? 「比例関係の問題ではないので数直線を使えない,したがってこの問題は扱えない」ということになるのか?


    このときは,<量としての数>を導入する。
    これを比例関係の一方の側の<量>にして,「 2/5 kg の 4/3 は何 kg か?」の問題を「 1が 2/5 kg だと, 4/3 は何 kg か?」の問題に替える。
    すなわち,つぎの「数直線」をつくる:

    そして,このことを「2/5 kg を1と見る」と説明する。


    この「数直線」が,つぎの「数直線」と同型であることを確認しよう:

    「 2/5 kg の 4/3 は何 kg か?」の立式・計算は,「 1が 2/5 kg だと, 4/3 は何 kg か?」の立式・計算の問題に替えられ,そして立式・計算の説明が,「 1dL が 2/5 kg だと, 4/3 dL は何 kg か?」の立式・計算の説明と同じになるわけである:




    以上見てきたように,「1と見る」の数学は,<量としての数>である。
    この数学については,§「「1と見る」の数学」を以て,改めて述べることにする。