Up 「形式不易の原理」を<存在法則>として立てる 作成: 2012-02-12
更新: 2012-02-12


    「比の3用法」は,「×・÷」に対する「なに・なぜ?」を封じるものである。
    文章題に対する「自然数のかけ算・わり算」の立式は,この「比の3用法」で処した。

    つぎは「分数・小数のかけ算・わり算」である。
    この立式をどう処すか?
    「形式不易の原理」の<存在法則>を立てて,「比の3用法」を分数・小数に拡張する。 ──これが方法になる。
    すなわち,つぎのように言う:
    自然数のかけ算が立式される文章題は,自然数が分数・小数になっても,
     かけ算の立式になる。
     わり算も同様。
     このことに理屈はない。

    こうして,分数・小数の「×・÷」も,「なに・なぜ?」のないものになった。
    実際,<数は量の抽象>では,立式は形式感覚ないしノウハウで立てるものになる。


    数学では,「×・÷」の「形式不易の原理」は,数の系 (自然数,分数,正負の数,複素数等) を通じて「×・÷」の文法:


    を共通にしているという内容になり,明証的である。

    これに対し学校数学は,<数は量の抽象>の立場なので,「×・÷」の文法という形の説明はできない。
    存在法則のように「形式不易の原理」を説くところの,<押しつけ>になってしまう:
     <存在法則>は,自然数,分数,正負の数,‥‥それぞれにおいて,<形式>として記述される。 もとの<存在法則>が同じであれば,数が違っても<形式>は同じである。