Up | 「比の3用法」を<存在法則>として立てる | 作成: 2011-12-01 更新: 2012-02-12 |
では,「抽象」と称している<量の事態と数の「×・÷」の対応>は,どういうふうに定まっているのか? <数は量の抽象>の立場では,これは<存在法則>ということになる。 そして,この<存在法則>の表現が,「比の3用法」である。 「比の3用法」とはどういうものであったか,確認しておく。 「2gの3倍は6g」から,つぎの3タイプの問題が導かれる:
「比の3用法」は,<存在法則>として受け入れる/覚えるものになる。 ──<存在法則>なので,理屈以前・理屈無用となるわけである。 数学では,「×・÷」の立式は「×・÷」の文法という内容になり,明証的である。 ( 「かけ算・わり算の立式・計算」の数学──<表現の還元>の推論) これに対し学校数学は,<数は量の抽象>の立場なので,「×・÷」の文法という形の説明はできない。 学校数学の「数と量」は,<存在法則>を措定するふうになる。 量をリアルな存在とし,数を量の抽象にする。 数・量に関する命題は,<存在法則>の記述というものになる。 学校数学では,「速さ=距離÷時間」「距離=速さ×時間」「時間=距離÷速さ」が<存在法則>として認める/覚えるものになるが,「比の3用法」もこれと同じ扱いである。 なお,<存在法則>を措定する立場には,唯物論イデオロギーが出自になっているものがあり,学校数学の現行はこの歴史的視点を欠いては理解できない。 |