Up 「長方形を1と見る」型の構成 作成: 2012-02-01
更新: 2012-02-01


    「分数のかけ算・わり算」の立式・計算を「長方形を1と見る」型で説明する方式は,つぎの構成になる:
    1. 比例関係の文章題に対し,「比の3用法」と「形式不易の原理」を適用する形で,立式する。
    2. 長方形を描き,これに対し「1と見る」を言う。
    3. 式の計算として,この長方形の分割操作 (<長方形をタテ・ヨコ2方向に切る>) をする。

    このとき,「分数のわり算」の導入に用いる比例関係の文章題は,つぎの2つのタイプのうち,「比の第3用法」適用タイプの方になる:
「比の第1用法」適用タイプ 「比の第3用法」適用タイプ
ここに液体がある。
1 dL が 2/3 kg だと,
何 dL で 3/4 kg か?
ここに液体がある。
1 dL が 何 kg だと,
2/3 dL で 3/4 kg か?
    「比の第1用法」適用タイプは,<長方形をタテ・ヨコ2方向に切る>の操作では解けないからである。
    2タイプの文章題の扱いは,そこでつぎのようになる:
    1. 「分数のわり算」の導入では,「比の第3用法」タイプの文章題を用いる。
    2. 「比の第1用法」適用タイプの文章題は,「形式不易の原理」で立式させ,割り算の公式で計算させる。

    翻って,「長方形を1と見る」型は,《「わり算」の立式・計算の説明において,「比の第1用法」適用タイプの文章題を隠す》を,教育的方便として,よしとしているわけである。