Up 「面積」の指導 作成: 2013-07-30
更新: 2013-08-04


「面積」の主題研究
各種「量」指導の間の関係




    ひとは,自分の能力以上のことはできない。
    授業は,教員の自分本位がつくり出すものである。
    「授業づくり」の第一歩は,この「自分本位」がわかることである。

    「面積」は,「授業づくり」の素材として適している。
    ワン・パターンを繰り返すところであり,そして嘘をつかずに済むところだからである。

    「ワン・パターンを繰り返す」とは,どういうことか?

    「量」の学習は,は,「長さ」「重さ」「かさ」「時間」「面積」「体積」「角の大きさ」の主題を巡っていく中で,「量」のストーリーのワン・パターンを理解することである。
    「面積」の授業づくりは,このワン・パターンを忠実になぞる。

    「長さ」は,このワン・パターンを最初に起こすところであるから,授業はそれなりにたいへんになる。
    「重さ」「かさ」は,《「長さ」が示したワン・パターンを,さらに一段と見えるようにする》という位置にある。 「量」の形(かた) を,「長さ」に重ねつつ,まだ徐々に現して段階であり,それなりにたいへんである。
    「時間」は,これを「長さ」「重さ」「かさ」と同じ仲間(「量」)と示すところが,それなりにたいへんである。 実際,これをやることが,「時間」において「量」のワン・パターンをやるということである。

    こうして,「長さ」「重さ」「かさ」「時間」を経て,「量」のワン・パターンがはっきり示されることになった。
    そしてここで,「面積」の登場となる。
    「面積」では,「量のワン・パターンをやる」の授業づくりは,はるかにラクなものになる。

    「嘘をつかずに済む」とは,どういうことか?

    学校数学は,数学を教員・生徒のレベルに合わせてつくり変えたものである。
    よって,「嘘も方便」の「嘘」を,どうしてもやることにになる。
    「分数」「速さ」などは,「嘘」が極まり,自身を保てないほどになる。
    これに対し,「面積」は「嘘」をつかずに済む希少な単元なのである。