Up 導 入 作成: 2013-07-30
更新: 2013-07-31


    単元は,「導入」から入る。
    授業は,「導入」から入る。
    このアタリマエのことを,きちんと行う。


    「導入」は,生徒を新しい主題と経験に導くステージである。
    つぎのことを行う:
    1. 新しい主題がどんなものかを,つかませる
       [主題の世界 (鳥瞰図) を示す]
    2. 自分がこれから行っていくことを,つかませる
       [主題のストーリーを示す]

    「導入」の方法は,「既に知っていることを,導きの糸にする」である。

      はじめての地を散策する。
      自分にとって新しい地であるにもかかわらず,それなりに行動できる。
      行動できるのは,そこには,自分が既に知っているものと同じものが圧倒的な大きさで存在していて,それが導きの糸になるからである。
      「新しい」は,圧倒的に大きな「既知」の上にのっかっている。

    「面積」の主題では,「長さ」や「重さ」が既習になっている。
    そして,これらの主題で扱った「量」の考え方が,既習になっている。
    これら既習が,「面積」の導入において「導きの糸」とするものである。

    そこで,「導入」は,おおよそ以下のようになる。

    ○ シナリオ
T: 今日から,また新しいことを勉強する。
それは,「面積」。
T: 新しいと言っても,前に勉強している「長さ」や「重さ」の仲間。
T: 「長さ」では,どんなことを勉強した?
P: 長さを表す/測る──単位を決めて,「単位がいくつ」に
長さ比較──測定値の数の大小比較で,できる
長さの和──測定値の数の和で,求められる
共通の単位──公の単位 (「cm, m, km」)
T: 「重さ」でも,これと同じことをした。
T: 「面積」は,「長さ」や「重さ」の仲間。同じことをする。
「長さ」や「重さ」とは違う大きさ (量) というところだけが違う。

    ○ 主題の世界 (鳥瞰図)

    ○ 主題のストーリー
面積とはどんな量?
  ↓
面積を表す/測る──単位を決めて,「単位がいくつ」に
  ↓
面積比較──測定値の数の大小比較で,できる
  ↓
面積の和──測定値の数の和で,求められる
  ↓
共通の単位──公の単位
  ↓
その他
(註 :「その他」の内容になるのが,「長方形の面積計算」)