Up 長方形の求積計算 作成: 2013-08-01
更新: 2013-08-01


    長方形の面積が計算で求まること (単位敷き詰めの作業をしないで済むこと) を,捉えさせる:
      単位の敷き詰めは,実際には困難/不可能な作業。場合によっては,許されない行動。
      長方形では,面積が数値計算で求まる。
      しかもこれは,単位の敷き詰めと比べて,劇的な省力化。

     註 : 長方形の面積計算の「タテ×ヨコ」は,「長さ×長さ」であると誤解されている── 教員を含め,ひろく誤解されている。
    長方形に敷き詰めた単位の個数を求める計算は,単位がタテに並ぶ数と単位がヨコに並ぶ数の積になる。 これが「タテ×ヨコ」の意味である。
       長方形の面積の計算 ─「タテ×ヨコ」の意味

    「長方形の求積計算」は,論理の上では,「cm2 の導入」の前にもってくるのがスジである。 すなわち,任意単位でやる。
    しかしこの構成は,授業および単元の流しが煩瑣になる。
    ここでは現行通り,「cm2 の導入」の後にもってくることにする。

    ○ シナリオ
      T: この黒板の面積を求めてみたい。
      P: 単位を敷き詰めるのは,たいへんそう。
      1時間じゃできない。
      1日やっても無理かも。
      途中までで,グチャグチャになりそう。
      そもそも,黒板みたいに立っているものに,どうやって単位を並べる?
      T: じゃあ,面積は求まらないということ?
      なにか方法はないかな?
      P: ???
      T: 黒板のタテ・ヨコの長さを測ってみた。
      120 cm と 270 cm
      P: ‥‥‥‥
      T: 単位を実際に敷き詰めなくても,アタマの中で敷き詰めて,単位がいくつになるかわからないかな?
      P: 120 × 270 になる。
      T: どうして?
      P: 単位がタテに120個並んで,このかたまりがヨコに270個並ぶ。
      だから全部で,120 × 270 個。
      32400個。
      T: ということは,面積は‥‥
      P: 32400 cm2

      T: これだけの個数を敷き詰めるとしたら,どれくらい時間がかかるかな?
      仮に1秒に1個並べるとして (無理だけどね) ‥‥
      P: 32400 ÷ 60 = 540
      540 ÷ 60 = 9
      9時間!
      T: タテヨコの長さを測って,計算だと,5分かからないくらい。
      すごいね。
      P: すごい。