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理解と遊び
従来,〈遊び〉は方法として課題になるだけでした。即ち,「おもしろく学べる方法」という形の課題です。しかしわたしたちは,
- 《数学学習の遊び化》は,学習内容がおもしろいことの必然である
- 「おもしろさは,理解の良質さに裏付けられる」という意味で,遊びと学習は方向を同じくするものである
- 特に,学習内容になる数学は本来的におもしろい
と考えることにしましょう。
これは非常にきつい仮定です。しかし「一般教育としての数学教育」の活路は,この形でしかあり得ないでしょう。「一般教育としての数学教育」を標榜する者の立つ瀬はここにしかないのです。
こうしてわたしたちは,(「おもしろく学ぶ」ではなく)「おもしろい内容」を課題化することになります。
結局,わたしたちの課題はつぎのようになります:
「数学教育がどのように変わるとき,
- 主題に学習者が没入する
- 主題の良質な理解に学習者が至る
の二つが一つのこととして達成されるようになるか」
そしてこのように課題を立てるとき,これからの数学教育の方向が一つの必然性として見えてくるようにわたしには思えるのです。