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教授/学習形態の誤解
既存の教授/学習メディアの固定化(絶対化)からは,教授/学習の形態についての誤った認識が導かれます。
特に,文字メディアの固定化からは,「教師の書いた板書を教師の説明を聴きながら書き写す」,「参考書の問題を解く」,「数学書を読む」といった数学学習のモデルが導かれます。この誤ったモデルは,学習者を迷わせ,教師にもひどくわかりにくい授業をさせてしまいます。
実際このモデルは,「数学は構文法であり,文章こそが数学の本当の現象のさせ方である」というような思い込みと相互に強化し合っています。
数学教育の困難の中には,誤った教授/学習モデルを暗黙にとっていることが原因のものが確かにあります。出発を誤っている努力は不毛です。ひとがこれまで数学教育の困難の克服に傾けてきた努力は膨大なものですが,いまはこの努力の内容が問われなければなりません。