Up 文学 作成: 2014-12-02
更新: 2014-12-12


    教育は,独善に進む傾向がある。
    学も,独善に進む傾向がある。

    独善を抑える方法は,「悪を以て善を解毒」である。
    この解毒剤になるものに,文学がある。

    人には,人の<社会においてある>には,裏表がある。
    裏は,表に出せない。
    これは,だれにも裏があることを知らない者を生む。
    その者は,自分の裏を罪悪として抱える者になってしまう。
    また,表を振る舞う者に,羨望・信頼をもつ者になってしまう。
    どちらの場合も,不幸である。

    そこで,裏を表に出してくれるものが,求められることになる。
    裏を表に出してくれるものには,需要があるということである。

    文学は,これである。
    文学の意味・機能は,「裏を表に出す」である。

    良質な文学は,良質な思想・哲学──ただし「悪の哲学」──になる。
    文学の古典は,このようなものである。

      そこで,文学の古典は,一昔前は「教養」にされていた。
      いまは,時代が変わって,書店でも大型書店でないと出会えない。