Up 「人の役に立たない」の達観 作成: 2014-12-05
更新: 2014-12-16


    数学教育学専門とは何か?」の自問は,収まらない。

    ここで,「人の役に立つことだ」は,答えにならないのか?
    「数学教育学専門」は,これが人の役に立つことをやっているならば,「数学教育学専門とは何か?」の問いはもともと起こらない。 「人の役に立つことだ」が自明の答えになるからである。
    問題は,「数学教育学専門は人の役に立つ」の論が立たないことである。

    「人の役に立つ」というのは,無い。
    「人の役に立つ」として行うことになるのは,事態を一つの方向に進ませることである。
    これは,あることを同時に壊す・潰す・無くすことである。 ──実際,「伝統」はこのダイナミクスによって消えていく。
    その「人の役に立つ」が果たして「人の役に立つ」なのかどうかも,長い目で見ればわからない。
    「万事塞翁が馬」である。

    ひとは,行えば荒唐無稽をやる。
    「人の役に立つ」も,同じである。
    ひとは,「人の役に立つ」を行うときは,荒唐無稽をやる。
    それは,「人の災いをやる」になる。