Up 「改革」の失敗の構造 作成: 2015-02-19
更新: 2015-02-19


    改革プロジェクトは,以下の構造を以て失敗する。

    (1) 生徒に教えることを企図する内容は,先ず,生徒に教える教員に教えねばならない。
    教員は,これを学ぶ力を欠いている。
    あるいは,教員がこれを学ぶには,多くの時間を要する。
    教員が学べないのは,学べることが既に専門性だからである。
     
    (2) 改革プロジェクトは,教員が学べるかどうかを跳び越して「生徒に教える」になる。
    プロジェクトを立ち上げる者が,内容の専門性を自覚していないからである。
     
    (3) 《箱をつくる者と,その箱の中身を埋めることを求められる者が,別々》が構造になっているプロジェクトは,不可避的に「箱物」プロジェクトになる。
    教員が学べない内容を生徒に教えようとするプロジェクトは,プロジェクトを立ち上げる者と教員が別々になっている。このプロジェクトは,「箱物」プロジェクトである。
     
    (4) 内容を理解する教員も,生徒に教えることができない。
    つぎのことを見て取るからである:
      教えることが求められている内容は,卑近とこれをつなぐ階梯が長い。
      カリキュラム然とこの階梯を踏んでやっていくのは,できないわざである。