Up | 通時形と共時形 :「進化学・生態学」 | 作成: 2017-09-01 更新: 2017-09-01 |
複雑系の複雑系たる所以は,「自己組織化」と「進化」である。 「自己組織化」と「進化」が,複雑系科学で謂う「創発」を現す。 数学教育の複雑は「創発」構造であるから,分析 (「要素還元」) の方法でわかるものではない。 そこで数学教育学の方法は,進化学である。 これは「数学教育史研究」として数学教育学の一部でやられてきたことになるが,「数学教育史研究」はふつう思われているよりはるかに重要な意味がある。 「数学教育史研究」は,数学教育という系の「自己組織化」「進化」「創発」を研究するものである。 それは結局,数学教育学のすべてである。 系の進化をある時点tで切断する。 現れる断面は,tにおける系の要素のネットワークである。 数学教育学は,進化学の一部として,これを特に研究するという形も成り立つ。 これは,進化学を通時形としたときの,共時形である。 そして「生態学」のことばが,この研究方法論に当てはまる。 |