Up 論文には<結論>がある 作成: 2017-08-31
更新: 2017-08-31


    論文は,結論に向かう構成になる。
    冒頭で結論を予告し,結論を導く論を展開し,結論で締める。

    これは,どんな内容でも同じである。
    「作業」に対し「成果」を書く。
    この「成果」が, 「結論」である。
      「調査」が内容だったら,「結果」を書く。
      この「結果」が, 「結論」である。
      「探査」が内容だったら,「発見」を書く。
      この「発見」が, 「結論」である。

    論文は,成果を書くものである。 ──成果のない作業を論文として書くということはない。
    論文は,成果を「結論」に書く。
    そして,「結論」の形は「定言」である。
    「‥‥‥である」が,これの文体である。


    学生が書く「論文」は,たいてい結論 (定言) が無い。
    これはどういうことか?
    《書かねばならないから書く》の位相では,書くことが手段ではなく目的になる。
    結論が無い「論文」は,目的の無い<書く>を表している。
    (もちろんここには,「結論」の概念が(はな)から持たれていないということもある。)

    結論が無い「論文」は,本来「何が言いたいんだ ?!」が返されることになるが,これが今日では無くなっている。
    結論が無い「論文」が論文として通用するようになっている。
    実際,現前の「研究劣化」は,この種の<ごく基本的なことの欠如>が積み重なったものである。