Up 原始関数 作成: 2010-10-27
更新: 2010-10-27


    関数f: D → (D ⊂ ) に対し,これがある関数F: D → とつぎのように関係していると見る:
      各x∈D に対し,f(x) はFのxにおける変化率。
      (すなわち,fはFの導関数。)

    ここで,区間 [a, b] ⊂ D を考える。
    区間 [a, b] の区分
      a = x1 < x0 < ‥‥ < xn−1 < xn = b
      Δxk = xk+1 − xk (k= 1, ‥‥, n−1)
    を限りなく細かくしていったときの
      lim
      n→∞
      n

      k=1
      f(xk) ·Δxk
    は,区間 [a, b] でのFの増し分になる。

    そこで,F(a) =Cとおくとき,つぎのようになる:
      F(b) = C + lim
      n→∞
      n

      k=1
      f(xk) ·Δxk
    さらに,区間 [a, b] のbを変数xとして考えれば,つぎのようになる:
      F(x) = C + lim
      n→∞
      n

      k=1
      f(xk) ·Δxk
      (a = x1 < x0 < ‥‥ < xn−1 < xn = x)


    以上の内容は,つぎのように捉え直すことができる:
    fを導関数とする関数が存在する。
    実際,それは,任意の定数Cとa∈Dに対し定義されるつぎの関数である:
      x├─→ C + lim
      n→∞
      n

      k=1
      f(xk) ·Δxk (x ∈ D)
      (ここで,a = x1 < x0 < ‥‥ < xn−1 < xn = x)

    fを導関数とする関数の存在することがわかったところで,このような関数を「fの原始関数」と呼ぶ。
    「fの原始関数」は,ただ一つの関数ではない。Cに依存して,無限にある。