Up 「方程式」の意味  


最初に,「式」の意味から → こ こ


    方程式の問題を解くことはやっていても,「方程式って何?」というように問われると,うまく答えられないものです。
    ここでは,この問いに対する答え方を示します。

    形式言語学/数学をやっている人には,形式言語学/数学の言い回しを使うのが最もラクで簡単です。
    このときは,つぎのようになります:

    1. 「方程式」のことばは,つぎのように使う:
        関係式 R と変項 x1, x2, ‥‥ に対する, 「x1, x2, ‥‥ の方程式 R」
    2. 「x1, x2, ‥‥ の方程式 R を解く」とは,R が真になることと同値である x1, x2, ‥‥ の値の条件を求めること。
    3. R が真になることと同値である x1, x2, ‥‥ の値の条件を,「x1, x2, ‥‥ の方程式 R の解」と言う。


    形式言語学/数学を (あまり) やったことのない人には,わからない表現ですね。
    表現を一般的にしようとして,こんな形になっています。

    具体的に例を用いて,ここで言っていることの内容を説明しましょう:

      「y2ー1<0」は関係式 (不等式) で,yが変項 (変数) になっています。
      この場合,
        「yの方程式 y2ー1<0を解く」
      という言い方ができ,そして「yの方程式 y2ー1<0を解く」とは,つぎのことを意味します:
        「y2ー1<0 の値を真にする (y2ー1<0 を成り立たせる) yの値の条件を求める」

      そしてこのとき,「ー1<y<1」がこの方程式の解になるわけです。


    注意 : 関係式それ自体には,「方程式であるか方程式でないか」の意味はありません。
    (すなわち,「この式は方程式かそうでないか?」という問いは無意味です。)
    人が,式を (状況によって) 方程式にしたり方程式にしなかったりします。