Up | English 「合同・相似」の現行指導  




  • 「相似」の指導(「三角形の相似条件」まで)

    1. 「形が同じ」の数学用語として「相似」を導入し、
    2. 「拡大・縮小」の操作をもって「相似」を操作的に規定し,
    3. 三角形について「いやでも相似になる条件」を同定し,
    4. それを「三角形の相似条件」として整理する。

    5. ちなみに,平成10年12月14日改正の中学校学習指導要領での「合同・相似」に関する言及は,つぎのようになっています:

      • 第2学年,2 内容,B 図形
        (2) 平面図形の性質を三角形の合同条件などを基にして確かめ,論理的に考察する能力を養う。
          証明の意義と方法について理解すること。
          三角形の合同条件を理解し,それに基づいて三角形や平行四辺形の性質を論理的に確かめることができること。
          円周角と中心角の関係を観察や実験などを通して見いだし,それが論理的に確かめられることを知ること。

      • 第3学年,2 内容,B 図形
        (1) 図形の性質を三角形の相似条件を基にして確かめ,論理的に考察し表現する能力を伸ばす。
          図形の相似の意味を理解し,三角形の相似条件を用いて図形の性質を論理的に確かめることができること。
          平行線と線分の比についての性質を見いだし,それらを確かめることができること。
          相似の考えを活用できること。


    6. 現行の指導に関して ── 私見

      1. 現行の指導は,すぐに多角形や三角形に移って,三角形の合同条件・相似条件を重点的に扱うようになっています。
      2. しかし,「合同」と「合同(の判定)条件」,「相似」と「相似(の判定)条件」が,学習者の意識の上できっちりわけられるような指導が必要です。
      3. 特に,「合同(の判定)条件」や「相似(の判定)条件」を数行で書けるような図形(操作しないで判定できるような図形)なんかほんと特殊な図形なんだ,ということを強調してやる必要があります。
      4. 図形一般の「合同」や「相似」を指導するには,視覚的イメージを巧みに使うことが必要になります。今日このことは,ディジタル技術の進歩により,以前と比べてはるかに容易になってきています。