Up \( C_1 \) の基底を定める (「辺の向きを定める」) 作成: 2023-10-08
更新: 2023-10-09


    バウンダリ写像 \( \partial_2 : C_2 \rightarrow C_1,\ \partial_1 : C_1 \rightarrow C_0 \) は,\( \mathbb{Z} \)加群の準同型写像である。
    よって,\( \mathbb{Z} \)加群 \( C_1, C_2 \) の基底を固定することで,行列の表現を得る。
    ホモロジー加群は \( Ker( \partial_1 ) / Im( \partial_2 ) \) として定義されるが,これが行列の計算で求められることになる。

    これを展望して,\( C_1, C_2 \) の基底の固定のうち,先ず \( C_1 \) の基底の固定に取り掛かる。
    基底の固定のやり方は:
      「一つの辺が現す二つの有向辺のうち,一方を基底の要素として固定」
    このとき,\( e_i = \overrightarrow{v_j v_k}\ \) の逆 \( \ \overrightarrow{v_k v_j}\ \) は \( - e_i \) となる。


    基底 \( { e_i } \) を使ったチェインの表現の例:
\[ \begin{align} c &= ( - e_2 ) + e_1 + e_6 + e_9 + ( - e_7 ) + ( - e_1 ) + e_3 \\ &= ( ( - e_2 ) + e_3 ) + ( e_1 + ( - e_1 ) ) + ( e_6 + e_9 + ( - e_7 ) ) \\ &= ( ( - e_2 ) + e_3 ) + ( e_6 + e_9 + ( - e_7 ) ) \\ \end{align} \]


    球面とトーラス面については,三角形分割を済ませている。
    いまは,辺に方向を与えるときである。
    ここではつぎのようにする:

    球面


    トーラス

    \[ e_1 = [ 1,\ 2 ] \\ e_2 = [ 2,\ 3 ] \\ e_3 = [ 3,\ 1 ] \\ \ \\ e_4 = [ 1,\ 4 ] \\ e_5 = [ 2,\ 8 ] \\ e_6 = [ 3,\ 9 ] \\ \ \\ e_7 = [ 8,\ 1 ] \\ e_8 = [ 9,\ 2 ] \\ e_9 = [ 4,\ 3 ] \\ \] \[ e_{10} = [ 4,\ 8 ] \\ e_{11} = [ 8,\ 9 ] \\ e_{12} = [ 9,\ 4 ] \\ \ \\ e_{13} = [ 4,\ 5 ] \\ e_{14} = [ 8,\ 6 ] \\ e_{15} = [ 9,\ 7 ] \\ \ \\ e_{16} = [ 6,\ 4 ] \\ e_{17} = [ 7,\ 8 ] \\ e_{18} = [ 5,\ 9 ] \\ \] \[ e_{19} = [ 5,\ 6 ] \\ e_{20} = [ 6,\ 7 ] \\ e_{21} = [ 7,\ 5 ] \\ \ \\ e_{22} = [ 5,\ 1 ] \\ e_{23} = [ 6,\ 2 ] \\ e_{24} = [ 7,\ 3 ] \\ \ \\ e_{25} = [ 2,\ 5 ] \\ e_{26} = [ 3,\ 6 ] \\ e_{27} = [ 1,\ 7 ] \]