Up バウンダリ写像 \( \partial_2, \partial_1 \) 作成: 2023-10-11
更新: 2023-10-11


    有向辺 \( \ \overrightarrow{ v_i v_j } \in C_1 \) のバウンダリを,\( v_j - v_i \in C_0 \) で表現した。
    \( C_1, C_0 \) はそれぞれ有向辺,有向頂点が生成する \( \mathbb{Z} \)加群なので,このバウンダリ対応は \( C_1 \) から \( C_0 \) への準同型写像── \( \partial_1 \) で表す──を生成する。
    実際,
        \[ c = \sum_{k} n_k\ \overrightarrow{ v_{k1} v_{k2} } \ \in C_1 \]
    に対し
        \[ \partial_1 ( c ) = \partial_1 \Bigl( \sum_{k} n_k\ \overrightarrow{ v_{k1} v_{k2} }\ \Bigr)\ = \sum_{k} n_k\ \partial_1 \bigl(\ \overrightarrow{ v_{k1} v_{k2} }\ \bigr)\ = \sum_{k} n_k\ ( v_{k2} - v_{k1} ) \]


    三角面の境界になるバウンダリサイクル \( \ \overrightarrow{ v_i v_j }\ + \overrightarrow{ v_j v_k }\ +\overrightarrow{ v_j v_k }\ \in C_1 \) は, 有向三角面 \( ( v_i v_j ) ( v_j v_k ) ( v_j v_k ) \in C_2 \) のバウンダリということになった。
    \( C_2, C_1 \) はそれぞれ有向三角面,有向辺が生成する \( \mathbb{Z} \)加群なので,このバウンダリ対応は \( C_2 \) から \( C_1 \) への準同型写像── \( \partial_2 \) で表す──を生成する。
    実際,
        \[ c = \sum_{k} n_k\ ( v_{k1} v_{k2} ) ( v_{k2} v_{k3} ) ( v_{k3} v_{k1} ) \ \in C_2 \]
    に対し
        \[ \begin{align} \partial_2 ( c ) &= \partial_2 \Bigl( \sum_{k} n_k\ ( v_{k1} v_{k2} ) ( v_{k2} v_{k3} ) ( v_{k3} v_{k1} )\ \Bigr) \\ &= \sum_{k} n_k\ \partial_2 ( ( v_{k1} v_{k2} ) ( v_{k2} v_{k3} ) ( v_{k3} v_{k1} ) ) \\ &= \sum_{k} n_k\ (\ \overrightarrow{ v_{k1} v_{k2} }\ +\ \overrightarrow{ v_{k2} v_{k3} }\ +\ \overrightarrow{ v_{k3} v_{k1} }\ ) \end{align} \]

    \( \partial_1, \partial_2 \) を,バウンダリ写像と呼ぶ。