Up | 「座標変換に対し不変」→ テンソル | 作成: 2018-02-24 更新: 2018-02-24 |
このとき,通常「量」と呼んでいるものは,1次元線型空間に定位される。 1次元の意味は,基底を構成するベクトルが1つということである。 量の「単位」とは,この「構成ベクトルが1つの基底」のことである。 「単位の量と比べてどれだけ」の「どれだけ」は,数で表現される「値」である。 次元拡張は,「量」「単位」「値」の概念の拡張である。 「量」は「線型空間」に,「単位」は「基底」に,「値」は「座標」になる。 量の「倍」は,ベクトルの「線型変換」になる。 「値の単位依存」は「座標の基底依存」になり,「単位換算」の計算は「基底変換・座標変換」の計算になる。 量計算は数値計算であるが,これが「行列計算」になる。 この拡張で,「量の公式」の概念・形式も拡張されることになる。 ここに,「テンソル」の登場となる。 「量の公式」は,数計算の形式である。 この「数計算の形式」を「ベクトル計算の形式」に拡張する概念,これが「テンソル」である。 量の公式は,「単位に依存しない」を要件とする。 よって,「テンソル」には,「座標変換に対し不変」の趣旨がある。 座標変換によって変わるものは,「テンソル」とは呼ばない。 実際「テンソル」は,もともと,「座標変換に対し不変」を意味にするものとして,実用数理から始まっている。 数学の「テンソル」は,その実用数理の定式化である。 その定式化は「テンソル」を「テンソル積」にする。 すると,慣習の中の「テンソル」で,この定式化からはじかれるものが出てくる。 巷の「テンソル」のテクストは,「テンソル」の意味で混乱している。 それは,「座標変換に対し不変」を「テンソル」の意味にする慣習と,数学の「テンソル」を,整理できていない様である。 |