Up 添字上下ルールの意味 作成: 2018-02-08
更新: 2018-02-09


    乗除の数計算は,便法として,分数の形を用いる。
    このとき,「共変」の係数を分子に配し,「反変」の係数を分母に配していることになる。

    添字の上下は,数計算での分子分母と対応している。
    計算は,係数を分子分母のどちらに配するかで間違うことができない。
    よって,添字の上下の別は,気分の問題ではなく,ほんとうに間違うことができないのである。

    こういうわけで,添字の上下ルールがわかるとは,数計算の分母分子の意味がわかるということであり,そしてそれは「共変・反変」がわかるということなのである。

      数計算の分子分母の意味をきちんと考えることは,まずない。
      「テンソル」論は,これをするところである。
      そこで,「共変・反変」が基本概念になる。
      「テンソル」論がなぜこのような内容になるかというと,繰り返すが,「テンソル」とは計算式のことだからである。


    \(x^i,\, x_i \) タイプの文字記号は,これが座標ベクトルの成分であることを表す。
    添字はどの基底ベクトルの係数であるかを示す。
    そして添字の上下位置は,計算式において分子分母のどちらに配されるかを示す。

    \(a_i^{\,j} \) タイプの文字記号は,これが倍作用であること表す。
    添字は,つぎの作用であることを示す:
    • 上付き \(i\) の座標成分との積では,これに倍して,上付き \(j\) の成分にする。
      計算式では,分子の数に対する倍であり,結果も分子に留まる。
    • 下付き \(j\) の成分との積では,これに倍して,下付き \(i\) の成分にする
      計算式では,分母の数に対する倍であり,結果も分母に留まる。