いま,つぎのように設定する:
\( U\) | : 体 \(K\) 上の \(m\) 次元線型空間 |
\( V\) | : 体 \(K\) 上の \(n\) 次元線型空間 |
\( {\bf u} = \{ {\bf u}_1, \cdots, {\bf u}_m \} \) | : \( U\) の基底 |
\( {\bf v} = \{ {\bf v}_1, \cdots, {\bf v}_n \} \) | : \( V\) の基底 |
このとき,
\[
\{\ {\bf u}_i \otimes {\bf v}_j \ |\ i = 1,\cdots,m;\ j = 1,\cdots,n\ \}
\]
が,\(U \otimes V \) の基底になる。
線型空間では基底を行ベクトルの形に配置したが,テンソル積 \(U \otimes V \) ではつぎのように行列の形に配置する:
\[\left(
\begin{array}{ccc}
{\bf u}_1 \otimes {\bf v}_1 & \cdots & {\bf u}_1 \otimes {\bf v}_n \\
& \cdots & \\
{\bf u}_m \otimes {\bf v}_1 & \cdots & {\bf u}_m \otimes {\bf v}_n \\
\end{array}
\right)
\]
したがって,3つの線型空間のテンソル積だと,立方の形に構成することになる。
そして4つ以上になると,この表現は無理となる。
基底 \( \{ {\bf u}_i \otimes {\bf v}_j \} \) に対する座標 \( (\xi^{ij} ) \) も,基底の行列配置に対応させて,つぎのように行列の形に配置する:
\[
\left(
\begin{array}{ccc}
\xi^{11} & \cdots & \xi^{1n} \\
& \cdots & \\
\xi^{m1} & \cdots & \xi^{mn} \\
\end{array}
\right)
\]
いま
\({\bf x} \in U \) | : 基底 \( \{{\bf u}_i\} \) に対する座標が \( ( x^1, \cdots, x^m )\) |
\( {\bf y} \in V \) | : 基底 \( \{{\bf v}_j\} \) に対する座標が \( ( {y}^1, \cdots, {y}^n )\) |
とすると,
\[
\begin{align*}
{\bf x} \otimes {\bf y}
&= ( x^1 {\bf u}_1 + \cdots + x^n {\bf u}_m ) \otimes ( {y}^1 {\bf v}_1 + \cdots + {y}^m {\bf v}_n ) \\
&= \sum_{i,j} ( x^i {\bf u}_i ) \otimes ( {y}^j {\bf v}_j ) \\
&= \sum_{i,j} (x^i {y}^j ) ( {\bf u}_i \otimes {\bf v}_j )
\end{align*}
\]
即ち,\( ( x^i y^j ) \) が 基底 \( \{ {\bf u}_i \otimes {\bf v}_j \} \) に対する \(x \otimes y \) の座標になる。
\[
\left(
\begin{array}{ccc}
x^1 y^1 & \cdots & x^1 y^n \\
& \cdots & \\
x^m y^1 & \cdots & x^m y^n \\
\end{array}
\right)
\]
|