Up 偽テンソルは,学習者の躓きのもと 作成: 2018-02-22
更新: 2018-02-22


    学習は,論理 (理屈) をつないでいく作業である。
    論理をつなげなくなることを,「躓く」と謂う。

    躓きを過ごす方法は,つぎの3つである:
    1. 論理の不整合を,修復する
    2. 論理の不整合のもとを,捨てる
    3. 論理の不整合を,飲み込む

    学校の授業では,教師は生徒に「飲み込む」をさせる。
    「飲み込める」は,要領がよいという能力であり,「頭がよい」といわれる生徒は,多くがこのタイプである。
    飲み込めない生徒は,ここでドロップアウトすることになる。
    問題は,「頭がわるい」がドロップアウトの理由にされることである。

    論理体系の学習は,「要領がよい」はいつまでも続かない。
    「頭がよい」生徒も,学習内容のレベルが上がるにつれ,だんだんとドロップアウトしていく。


    「テンソル」の学習は,これを躓かせるものが山とある。
    そして,「偽テンソル」の存在が,このうちの一つになる。

    学習者は,「偽テンソル」をテンソルとして理解しようとする。
    しかし「偽テンソル」であるから,テンソルとして理解することなどもとよりできないことである。
    学習者は,ここで躓く。

    彼らに対しては,つぎのことを言ってやる必要がある:
      躓きを自分の頭のせいにしてはならない。
       悪いのは,自分の頭ではない。
       悪いのは,偽テンソルをテンソルだとして示す授業者の方である。