Up 「仕事ポテンシャル場」の定義 作成: 2017-12-23
更新: 2017-12-23


    空間 \( S \) は,その中での質量の移動が仕事になる空間であるとする。

    この条件には,つぎの含蓄があることに留意せよ:
    1. 空間とは別カテゴリーの存在として,「質量」を立てる。
    2. 移動の仕事量は,移動のルートに依らない──始点・終点の組で決まる。


    「質量」として考えるものは,一つの量である。
    ここに,単位質量を定める。

    仕事は,ポテンシャルを導く:
      \( S \) の任意の点 \({\bf o}\) に,ポテンシャルの基準「O(オー)」を対応させる。
      各点 \({\bf x}\) のポテンシャルは,単位質量が \({\bf o}\) から \({\bf x}\) に移動したときの仕事量 \( w \) で定義する──「基準より \(w\) 分高い」。

    このことを,関数に表現する:
      \[ f : {\bf x} \longmapsto ({\bf x}\, のポテンシャル) \ \ \ \ \ (\, {\bf x} \in S\,) \]
    \( f \) は,スカラー値の関数として考える。
    スカラー値の関数はテンソルなので,\( f \) はテンソルである。


    空間 \( S \) は,\( f \) を以て,テンソル場になる。
    このテンソル場を,「仕事ポテンシャル場」と言い表す。