Up | 単位を「メモる」と「つける」の区別 | 作成: 2017-12-17 更新: 2017-12-18 |
これは,量計算は数計算に還元されるということである。 量計算である数計算は,これがどんな還元でこうなっているかをつねに理解して進める,というものになる。 実際,この理解を欠けば,計算を間違う。
推論 (演繹) ではない。 「わからなければ形に慣れろ」というわけである。 そこで,割るところを掛けるみたいなことが,ふつうに起こる。 単位を取ってしまうと間違うからといって,計算を単位付けで行おうとすれば,その計算はテンソル計算ということである。 四則計算は数の計算であるから,これに単位を含ませることはできない。 そこで,つぎがアイデアになる:
体K上のn次元線型空間Vとその基底Eの場合として一般的に述べると,「数に単位をメモる」とはつぎをすることである:
このとき,例えば「5秒で2mの速さでは, 3秒で何m」の計算だとつぎのようになる:
小学算数では,逸脱として,単位をつけた計算──特に,単位の約分──が行われている。 (実際,これが正しい計算法だとして,単位つき計算を指導する教員もいる。) 小学算数がなぜこれを逸脱にしているかというと,つぎが理由ということになる: |