Up 「双対」の導入 作成: 2017-12-17
更新: 2017-12-17


    「2m/秒では,3秒で何m」の計算方法として,「2m/秒」をつぎのように分解する方法を示した:
      \[ \begin{array}{c} \\ 時間 \\ t秒 \\ \end{array} \begin{array}{c} 秒^* \\ \longrightarrow \\ \\ \end{array} \begin{array}{c} \\ 数 \\ t \\ \end{array} \begin{array}{c} m^+ \\ \longrightarrow \\ \\ \end{array} \begin{array}{c} \\ 距離 \\ tm \\ \end{array} \begin{array}{c} 2 \\ \longrightarrow \\ \\ \end{array} \begin{array}{c} \\ 距離 \\ (2×t)m \\ \end{array} \\ \]
    一般に,係数体Kの量Qの単位 \( \bf u \) からは,つぎの二つの関数が導かれる:
      \[ {\bf u}^+ : K \longrightarrow Q \\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ k \longmapsto k\, {\bf u} \\ {\bf u}^* : Q \longrightarrow K \\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ k\, {\bf u} \longmapsto k \]

    Qは,体K上の線型空間である。
    Kは,K上の線型空間になる。
    さらに,KからQへの線型写像全体 \( Hom(K, Q) \),QからKへの線型写像全体 \(Hom(Q, K) \) が,K上の線型空間になる。
    そして,\( {\bf u}^+ \in\, Hom(K, Q) ,\ {\bf u}^* \in\, Hom(Q, K) \) である。

    \( {\bf u}^+ \) と \( {\bf u}^* \) は, 互いに逆関数である。
    この二つを「双対」と見なす。
    そしてこの「双対」を念頭において,\( Hom(K, Q) \) と \(Hom(Q, K) \) を「双対」と見なす。


    数学の慣行では,\( Hom(K, Q) \) をQと同一視する:
      \[ m^+ \,\longleftrightarrow\, m \]
    そして \(Hom(Q, K) \) の方を,Q* で表し,Qの双対と呼ぶ。

     註: この慣行は,「双対」の意味──その形式──を見え難くするものであり,好ましいものではない。