測定値は,ひとが決めます。
測定値には「正確」も「おおよそ」もありません。測定値を(「真の値」に対する)「近似値」であると言うこともできません。
測定が物理の上の事態である以上,原理的に「真の値」はあり得ません。そして,「真の値」のないところには,道理と して,「正確",「おおよそ",「近似値」といったことばは立ちません。
測定値は,選択が可能な域の中から一つに決められます。
そのときの選択域がどのようになっていて,そしてどのように測定値が決められるかは,実践の(即ち,ケ−ス・バイ・ケ−スの)問題です。それは,目的と状況に依存します。特に,選択には基準がある(基準が考えられている/意識されている)場合もあり,ない場合もあります。
測定値は,ひとの都合で決められます。
「都合に適う」=「有効/実効」
現実の測定値──即ち,生活の中に現れる測定値──は,有効/実効値としてそこにあります。測定値は,有効/実効値として決めらます。
測定値の妥当性の基準は,「正確」ではなく,有効/実効性です。