任意の2つの小数に対し,商の式をつくることができる。
一方,小数の商の式に対応する小数が存在するとは限らない。
そこでいま,1.25 × 4.8 = 6 を転じた 6 ÷ 1.25 の式で,「小数のわり算」の推論を見ることにする。
これは,以下のようになる:
そこで,つぎが「小数のわり算」のまとめ方になる:
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(M, m) ÷ (N, n) が小数として存在する条件は,文字列Mの右端に何個か0をつけた形の十進数 ( M × 10p ) が,自然数の中でNによって割り切れること。
そしてこのとき,(M, m) ÷ (N, n) = ( (M × 10p) ÷ N, (m+p) ーn)
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さらに,0追加の過程を見直すことで,学校で指導されているつぎの「小数のわり算」に至る:
- 必要なら一方の小数の末尾に0を加えて,小数点以下の桁数を同じにする。
- 小数点を無視し,自然数の割り算をする。
- 割り切れないときは,被除数に0を加えていく。
- 加えた0の数が k のとき,求めた商の下位 k 桁を小数点以下の桁とする。
例:6 ÷ 1.25
- 6.00 ÷ 1.25
- 600 ÷ 125 (割り切れない)
- 6000 ÷ 125 = 48 (被除数に 0 を1個加えたら,割り切れた)
- 6 ÷ 1.25 = 4.8 (48 の下位1(=被除数に加えた0の個数) 桁を小数点以下の桁とする)
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