Up 分数の場合 作成: 2007-05-01
更新: 2007-05-01


    部分のある量 (「切る/分割する」ができる量) を扱いたいとなったとき,これの比 (倍関係) の表現のために分数がつくられます。
    このときの比 (倍関係) の表現のきまりはつぎのようになります:

      2量が,第三の量のそれぞれ2倍,3倍になっているとき,この「2」と「3」をそのまま使う形で,比を「3/2」で表す。


    小学校では「3/2」を「2つに分けた3つ」と読ませていますが,これは「左辺の量を2つに分けた3つが右辺の量」から来ているわけです。


    つぎが,ここでの比表現の要点になります:
       自然数2つを使って比表現をつくる。



    参考:ユークリッドの互除法

     分数倍の値は,試行錯誤的に物を操作して求めるしかないように,一見思われます。しかしそうではありません。分数の値を求める手順があります。言い換えると,分数を値とするきちんとした測定法があります。
    ──以下がそれです:

    1. 分数で何倍か?


    2. 左が右にいくつ入るか?──2つ入って余りがでる。


    3. 余りがもとの左にいくつ入るか──1つ入って余りがでる。


    4. 余りがもとの余りにいくつ入るか── 2 つ入って余りなし。


    5. 最後の余りが最初の2 量にいくつ入るかが,計算で求められる : 3と8。


    6. 最初の2つの量を,3つと8つに共約する量がとれたから,求める分数倍は8/3。


    この手順 ( 余り同士の互除を,余りがなくなるまで続ける) は,ユークリッドの互除法と呼ばれています。
    ユークリッドの互除法を使うと,つぎの両方が同時に得られます:
    • 二量の共約量(しかも最大共約量)
    • 分数の値(しかも既約分数)