Up 左分配法則が成り立つ 作成: 2011-01-13
更新: 2011-07-12


    Nの+と × の間に,左分配法則 n × (a+b) = n × a + n × b が成り立つ:

      a,b,n∈N と Qの単位 に対し,
        × (n × (a+b))
        = ( × n) × (a+b)
        = ( × n) × a + ( × n) ×
        × (n × a) + × (n × b)
        × ( n × a + n × b )
      これより,n × (a+b) = n × a + n × b


    本論考の捉える「数の道具性」は,右分配法則 (a+b) ×n = a ×n + b × n を含意しない。
    ──すなわち,つぎの3段目から4段目への変形がこれの含意にならない:
      × ((a+b) × n)
      = ( × (a+b)) ×
      = ( × + u × b ) ×
      = (( × a) × n + (u × b) ×
      × (a × n) + × (b × n)
      × ( a × n + b × n )
    もっとも,現前の「数」である自然数,整数,有理数,実数,複素数,四元数,八元数,十六元数 (後述) は,四元数までが分配法則の成り立つものになっている。 また八元数 ,十六元数は,×が結合的でなく<量をもたない数>ということになるので,数の道具性の規定をさらにこの2つの数に引き寄せて調整するというふうにはならない。