- ほとんどの人が,量計算の「公式」の意味を誤ってとらえています。
「距離÷時間=速さ」
- 「距離を時間で割る」なんてことはあり得ない!(実際,どうやる?)
- この公式は,つぎの命題を簡略化した言い方:
時間の単位u, 距離の単位vに対し, v/uを速さの単位にとるとき
(vに対する距離の値) ÷ (uに対する時間の値)
= (v/uに対する速さの値)
各値は数なので,この割り算は意味があり,実行できる。
例
「2 時間で 18 km」
- 時間の単位 時間, 距離の単位 km に対し,
km/時間 を速さの単位にとるとき
- 単位 時間 に対する 2 時間の数値は 2
単位 km に対する 18 km の数値は 18
- 18 ÷ 2 = 9 ─→ 9 km/時間
- 時間の単位 分, 距離の単位 m に対し,
m/分 を速さの単位にとるとき
- 単位 分 に対する 2 時間の数値は 120
単位 m に対する 18 km の数値は 18000
- 18000 ÷ 120 = 150 ─→ 150 m/分
- 時間の単位 時間 , 距離の単位 km に対し,
km/分 を速さの単位にとるとき
- 単位 時間 に対する 2 時間の数値は 2
単位 km に対する 18 km の数値は 18
- 18 ÷ 2 = 9 ─→ 9 km/分(これは誤り!)
「タテ×ヨコ=面積」── 長方形の面積を求める公式
- 「タテの長さをヨコの長さを掛ける」なんてことはあり得ない!(実際,どうやる?)
- この公式は,つぎの命題を簡略化した言い方:
長さの単位uに対し, u2 を面積の単位にとるとき
(uに対するタテの長さの値) × (uに対するヨコの長さの値)
= (u2 に対する長方形の面積の値)
各値は数なので,この掛け算は意味があり,実行できる。
例
「タテの長さ 3 m, ヨコの長さ 4 m」
- 長さの単位 m に対し,
m2 を面積の単位にとるとき
- 単位 m に対する 3 m の数値は 3
単位 m に対する 4 m の数値は 4
- 3 × 4 = 12 ─→ 12 m2
- 長さの単位 cm に対し,
cm2 を面積の単位にとるとき
- 単位 cm に対する 3 m の数値は 300
単位 cm に対する 4 m の数値は 400
- 300 × 400 = 120000 ─→ 120000 cm2
- 長さの単位 m に対し,
cm2 を面積の単位にとるとき
- 単位 m に対する 3 m の数値は 3
単位 m に対する 4 m の数値は 4
- 3 × 4 = 12 ─→ 12 cm2(これは誤り!)
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