Up 「比例関係」の定義 作成: 0000-00-00
更新: 2010-12-20


     「比例関係」は,算数科では,
「一方が2倍,3倍,‥‥ になるとき,
 もう一方も2倍,3倍,‥‥ になる」
    の言い回しで導入されます。

    例えば,「(一定の)速さ」は,「時間」と「距離」の間の比例関係と解釈されます:
「経過時間が2倍,3倍,‥‥ になれば
 移動距離も2倍,3倍,‥‥」

    ここで,上の定義(ことばによる定義)の言い換えになる二つの形を,紹介します。──図による定義と式による定義です。

    わかりやすいように,一般的な形で定義を示すのではなく,速さ「2m/秒」を使うことにします。

    速さ「2m/秒」には,「時間が2倍,3倍,‥‥ になれば距離も2倍,3倍,‥‥」が含まれています。──実際,「5秒のときは10m」と答えるとき,この条件を使っていることになります:
─→2m
5↓  ↓5
5秒─→10m

    ここで,「集合」の考え (フィクション) を受け入れてください。──時間の集合 (すべての時間を要素とする集合) と距離の集合 (すべての距離を要素とする集合) 。

    このとき,「2m/秒」における「時間が2倍,3倍,‥‥ になれば距離も2倍,3倍,‥‥」は,つぎのように言い換えられます:


(n = 1, 2, 3, ‥‥)

    例えば,つぎのような具合です:


    つぎに,関数「2m/秒」を f で表して,上の図を式に置き換えてみましょう。 つぎにようになります:

f(x x n) = f(x) x n
(ただし,x は倍作用の記号)


    最後の図は,敢えて一般的な形に書きました。


    以上,比例関係の定義の3つの形態 ( ことば,図,式) を示しました。 ──見かけは違っても,定義していることは同じです。