Up 比例関係への抽象 作成: 0000-00-00
更新: 2010-12-20


    比 ( 倍関係) は, 1つの量(系) の中の2量関係です。
    比例関係は,2つの量(系) の間の2量関係です。

    比例関係の代表的な例に,「速さ ( 速度)」があります。
    「速さ」は,それ自体としては存在していません。 リアルに存在しているのは,あくまでも物体の運動であり,それにわたしたちが速さを感じるわけです。
    そして,ここで感じた「速さ」を,さらに時間と距離の対応関係に抽象します:
      1.「 時計」を導入し,
    2. 経過時間と移動距離の対応を読む
    とりわけ,「等速度運動」としての比例関係(「時間が2 倍, 3 倍, ‥‥ になれば距離も2 倍,3 倍,‥‥」)を抽象します。

    最初のリアルとそこから読み取った形 (「比例関係」) の間には,著しいギャップがあります。 それは自然な見方というものではまったくありません。 「見えないものを見る」営みの顕著な一つが,ここにはあります。


リアル
 
抽象
 ───→ 
 

比例関係