1.1.3 数の使用形式としての量形式



 “実践形式である量形式は一つの数の系の複合である”を反転するとき,“量形式は一つの数の系の使用形式である”となる。これは,“数の系”の抽出元を“数の系”でもって説明しようという後先逆転させた言い方であるが,論の論理的展開はこの方向づけにしたがって進むことになる(註)



(註) われわれは,現象を,それの本質から論理的に説明しようとすることがある。しかし本質は,われわれが現象に対して読んだところのものである。論理的説明は,つねに,抽出されたものを用いて抽出元を説明するという後先の逆転である。