1.4“数/量”の語の日常的使用における異なる意味
──カテゴリー,系,要素
“数/量”という言葉は,異なる論理レベルで用いられている。混乱のないよう,ここで改めて“数/量”の語の用法を確認しておく。
“数/量”の語が意味するものは,以下のもので,これらは異なる論理レベルにある:
- 数/量形式
- 数/量の系のカテゴリー
- 数/量の系
- 数/量の系の要素
例えば,“量”の語の以下の用法は,互いに異なる:
- “加法は量の因子の一つ”
“長さ,重さ,時間,速さに通底していることは,量であること”
- “長さは量に属する”
- “長さから導出される量である面積”
- “2cm,このコップの重さ,一日のながさはそれぞれ量”
本論考では,これらの区別ための用語法というものを特に導入することはしない。“数/量”の語がどの意味で使われているかは,注意深くあれば,文脈から知られる。──但し,本文中,量の系の要素を意味する言い回しとして“量(大きさ)”を使うことがある。