1.5.2 数の系の特定,数形式の規定



 われわれが既に“数”と呼んでいるものの特定を,《数の系の特定》と考えるとしよう。

 “数”は単一ではない。自然数,整数,有理数,実数,複素数,四元数といったように,色々ある。われわれはこれらを数形式の色々な現われ(実現)であると考え,これらに通底する形式を“数形式”と定めることにする。即ち,“数の系”と呼ばれ得るために対象が備えていなければならないもの,それを“数形式”と定める。

 数形式を,集合N,Nの上の加法+,乗法×を因子とする系

(N,+,×)

に関する条件として規定する(§3)。数形式を備えた系 (N,+,×) が,数の系である。