11.5.2 単位セットのシステム化



 単位セットは,“位上げ(位上がり)”の規則の下にシステム化されているものの方が,都合が良い。

 ここで“単位のシステム化”とは,ある自然数nを固定して,《各単位につきそれのn倍が別の単位になる》ように単位セットを整備することであるとする。即ち,

《ある単位Uの上位単位は,Uのn倍になっているようなもの;
 ある単位Uの下位単位は,それのn倍がUとなるようなもの》

という規則に則って単位セットをつくること。

 システム化されている単位セットでは,《測定値を最も小さくするような単位の選択》に失敗しても,“位上げ”の操作/計算によって一意的組合せ表現(§11.4.1)に到達できる。逆に,システム化されていない単位セットでは,《測定値を最も小さくするような単位の選択》に一度誤れば,それまでの結果はフイになる。最初からやり直さねばならない(註)

 既存の単位が《ある単位いくつで別の単位》のようになっていないときには,単位のシステム化は単位の抜本的な取り直しを含意していることになる。既存の単位をそのままにしてそれらの関係を顕在化するというやり方では,それは行なえないわけである。但し,既存の単位を完全に捨てる(例えば,メートル法への移行)ことはしない方法として,既存の単位に若干の修正を加えてこれをシステム化にのせていくということはできるし,また現実的である。



(註) 例えば,
小コップ10杯<大コップ1杯
の関係にある大コップ,小コップを用いての容積測定を考えるとしよう。いま,大コップ1杯はあるまいと見込んで小コップではかったところ,10杯を越えてしまった。一意的組合せ表現を得るためには,はじめからやり直さねばならない。しかし,
小コップ10杯=大コップ1杯
の関係にあれば,この測定をそのまま継続できるのである。