11.5.5 “普遍単位”



 “任意単位と普遍単位”という対立図式が立てられるのを,われわれはしばしば目にする。しかし,単位は恣意であり,“任意単位”であるのみである。また,〈私的な単位〉と〈公的な単位(流通する単位)〉の対立というようにも読めない。文字通りには,“任意単位と普遍単位”の対立図式は誤まりである。

 “任意単位”とか“普遍単位”という言い回しは,使わない方がよい。むしろつぎのことが指導において強調されるべきである。即ち,公的な単位といっても恣意的に選ばれた単位であることに変わりがないこと。