11.7.3 概測



 “概測”は,(《単位いくつ》ではなく)《単位だいたいいくつ》の形に量表現して終えてしまう測定の謂いである。

 《単位だいたいいくつ》にすることは,“はした”の処理とは一応区別される。“概測”には,形式上(註),“はした”の概念は入り込まない。“概測”は,“単位いくつ”の“いくつ”を概数で出す測定のことである。

 概数で出す理由は,それがそのときの有効/実効値になるからである。“きっちりいくつと出すことが不可能”といった問題ではない。──“きっちりいくつと出すことが不可能で,止むを得ずだいたいいくつとして出した”というのが事実だったとしても,《いくつと出すことが不可能ないまの状況での有効/実効値》として,有効/実効値であることに変わりはない。



(註) しかし実質的には,ある〈単位いくつ分〉が新たな単位として採られていることになる。例えば,“だいたい 1200m”と言うときには,100mが事実上の単位でそれ未満の長さがはした処理されている,と解釈できる。