11.9 測定の目的



 量測定の目的は色々であるが,およそ以下のカテゴリーに括られる。
  1. 量の特定:
    測定は,《基準とする量(単位)のいくつ分/何倍》という形による量の特定である(註)

  2. 所期の量の実現:
    実現しようとする量を《単位いくつ分/単位の何倍》の形で定めておき,そしてこの形でそれを実現する。これは,量特定のための量の数値化の逆になる。

  3. 量比較:
    量比較を,同一の単位に対する数値の比較という形で行なう。

  4. 量計算:
    このとき測定は,量計算を数計算として可能にするための前処理である。



(註) 量を特定することとしての測定は,量を明確に捉えるという意識の下にある。そしてこのときの〈明確〉の内容になるものは,
  1. 問題の量が引き寄せられる“明確な量”としての単位と,
  2. 単位が数え上げられるときのその明確な個数
である。《明確な量の明確な個数》という形の量特定が,このときの測定である。これは,《身近な量との等置》と対比される。