2.4.0 イントロ



 “量”はひとの読みとして存在する。それの存在身分は,ウィトゲンシュタインの謂うところの言語ゲ−ムである。

 量の存在論に対するナイーブなスタンスから,量の奇妙な議論が生み出されてくる。本節では,量の存在身分が言語ゲームであることを強調する目的で,奇妙な議論の代表的なものとして“内包量/外延量”と“量の保存性”の発想を取り上げておく。