6.7.4 数空間
数の系(N,+,×)に対し,Nn の要素 (ξ1,・・・・,ξn) に対するNの要素αの作用×を
(ξ1,・・・,ξn)×α=(ξ1×α,・・・,ξn×α)
で定義するときの系
((Nn,+),(N,+,×),×)
を,“(数の系 (N,+,×) に応ずる)数空間”と呼ぶことにする。
数空間は一般に量の系ではない。しかしそれは,次元に関して,量の系のモデルであるところの
((N,+),(N,+,×),×) = ((N1,+),(N,+,×),×)
の一般化になっている。この意味で,数空間と同型な系は量の系に準ずる系であると言える。
数の系 (N,+,×) が体であるとき,数空間 ((Nn,+),(N,+,×),×) は線型空間である。そこでこれに準じて,一般に数空間と同型な系に対しても“基底”の概念を導入する。