7.2.2 直線,平面に対する位の系の解釈



 直線──1次元ユークッド空間として定式化された直線──は,つぎのように位の系

(SE,(QE,+),(,+,×),×),

として解釈できる:
  1. Eは,点集合としての直線
  2. Eは,点の変位ベクトル(移動ベクトル)全体の集合
  3. は,直進移動:


  4. Eの+は,変位ベクトル(移動ベクトル)の合成
  5. は,変位ベクトルに対する倍作用素の集合
  6. ×は,変位ベクトル(移動ベクトル)に対する実数の“倍”作用
  7. の+,×は,それぞれ倍の和および倍の合成
ここで,基準OE∈SE と単位e∈QE*は任意に固定すればよい。

 また,平面──2次元ユークッド空間として定式化された平面──は,以下のように位の系

(SE,(QE,+),(,+,×),×),

として解釈できる。
  1. Eは,点集合としての平面
  2. Eは,点の変位ベクトル(移動ベクトル)全体の集合
  3. は,直進移動
  4. Eの+は,変位ベクトル(移動ベクトル)の合成
  5. は,変位ベクトルに対する“倍/回転”作用の集合
  6. ×は,変位ベクトル(移動ベクトル)に対する複素数の“倍/回転”作用:
    Eの要素x=u×[r,θ] に対し,
     x×[s,τ]=u×([r,θ]×[s,τ]) = u×[r×s,θ+τ]

  7. の+,×は,それぞれ倍/回転作用の和および合成:
    (ξ+iη)+(ξ′+iη′) = (ξ+ξ′)+i(η+η′)
    [r11]×[r22]=[r1×r21+θ2]